『中日友好の懸け橋』をテーマに掲げた奥村責任者は、西口賢治先生との書画の競演や特別演武をこなし、兵庫や福岡から参加した日本人も加わっての中日少年部の演武を用意。さらには中国側から緑代表への記念品の贈呈、中国組織の来賓・役員・功労者などへ感謝状が手渡され、とても温かみのあるセレモニーが行なわれた。
さらに全中国大会では、自熱の攻防が続出。男子決勝は、かつてウエイト制にも参戦経験のあるテクニシャンのスン・インジェと、チャン・チェンキャンが対戦した。30歳のスンは、下段カカト蹴りや胴廻し回転蹴りなど、多彩な足技を器用に使いわけるスタイルで、23歳のチャンは恵まれた肉体とパワーを武器にガンガン突きで攻めるタイプだ。
張の突きを受け流し、細かい蹴りでポイントを重ねたスンが、優勢勝ちを収めて優勝。決勝戦で闘った二人が中国代衣となり、10月の世界大会への出場を決めた。
レベルとしては、日本やヨーロッパなどの列強国と比べるとあと少しの印象はあるが、急速に発展している中国の勢いは侮れないものがある。武術のルーツとも言われる中国から、いつか世界チャンピオンが生まれても不思議ではない。
カンフーや少林寺の影響で、飛んだり跳ねたりする傾向がまだ残っているようだが、肉体の強さを誇る中国の底上げがあれば脅威だ。
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