16歳の浦中美夢が決勝に進出 世界へ再び─。 篠原葉子が初優勝!
カラテライフ2013年7-8月号 Text/本島燈家
気持ちの伝わってくる大接戦となった決勝。打ち勝ったのは篠原だった。

大一番を乗り越えた篠原は「2年後の世界大会が目標」と語った。
 
ベストな状態ではなかったが、篠原は左右に動きながら果敢に打ち合った。

華麗な蹴り技を持つ浦中の上段が篠原の顔面を襲う。
 
「初戦から厳しかった」という篠原。準決勝では和歌山の馬頭愛海に延長で勝利。

浦中は準決勝でシードの葛上かれんを退けた。
 
ついに王座にたどり着いた篠原。16歳の浦中も今後に期待がかかる。

20歳になったばかりの篠原葉子にとって、今大会は人生の正念場といってもいい舞台だったかもしれない。男子中量級の加藤大喜が欠場したため、ワールドカップ代表メンバーの中では唯一の出場者となった。さらに本人は最後まで隠し通していたが、ワールドカップで女王マルガリータ・キウプリートと対戦した際、胸骨を骨折するケガを負っていたのだ。
全四国大会は見送ったが、このウエイト制を欠場するという選択肢は彼女にはなかった。日本代表として海外勢と対峙したからこそ、全国大会で優勝しなければいけないという思いは強くなっていた。
馬頭愛海との初戦、浦中美夢との決勝戦。いずれも対戦相手だけでなく、プレッシャーやケガの痛みも立ちはだかった。決勝戦は最終延長までもつれる大接戦となったが、体重を乗せた突き、左右に動いてからの下段を軸に迫力ある打ち合いを展開。シードの葛上かれんを下して勝ち上がった浦中も16歳にして王座を狙える存在だったが、最後に勝負を決めたのは篠原のラッシュだった。
自分との闘いにも勝利した篠原は、また一つ階段を上がった。前を走る将口恵美の背中も、しっかりと照準にとらえたに違いない。