マレーシア大会成功で地区発展へ前進!来年のアジアオープンへ向けて視界良好
カラテ・ライフ2013年9-10月号 
Text/WKO事務局長・小井泰三 Photo/マレーシア支部、WKO事務局長・小井泰三

マレーシア支部がマレーシア大会を開催し、成功に導いた。
この背景には、アジア地区のスジョト理事や同支部のチャン支部長の献身的な姿勢があり、
来年のアジアオープンに向けて幸先の良いスタートを切ることとなった。



マレーシア大会はタイ代表選手も加わり、大成功を収めた。

アジア地区のスジョト理事がバックアップし、大会がスムーズに行なわれた。
 
マレーシア大会には、開催国のマレーシアに加え、インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、モーリシャスから選手が参加した。

試合は、積極的な攻防が目立った。日本やロシア、ヨーロッパの強豪国と比べるとレベル差はあるものの、これから急成長する可能性は十分にある。
 
女子も男子に負けず、熱戦を展開。

緑代表を囲む入賞者たち。第11回世界大会へ向けて飛躍が期待される。

6月22日、マレーシア・クアラルンプールにてマレーシアオープン2013が開催された。

大会を主催したのは同国のキン・ミン・チャン支部長。若かりし頃、早稲田大学に留学経験があり、日本語も堪能な親日家である。チャン支部長は来る2014年に開催されるアジアオープンの主催国として名乗りを上げており、そのためにも今大会はその大一番に向けた「予行演習」の意味も含んでいた。

日本からは緑代表と三好副代表が出席し、アジア諸国の現状を視察するとともにチャン支部長の活躍にエールを送った。この大会には主催国のマレーシアをはじめ、インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピンの東南アジア5ヵ国に加えて、モーリシャスから総勢58名の強豪選手が出場して覇を競った。

競技レベルに関しては日本や欧州、ロシアといった強豪国との開きは否めないが、新規加盟のシンガポールや、永島支部長が管轄するタイの選手団の活躍は大会を大いに盛り上げ、アジア地区の競技レベルを押し上げた。




大会を主催したマレーシア支部のキン・ミン・チャン支部長。自ら昇段審査を受けたばかりか(参段合格)、緑代表のセミナーを開くなど、精力的に動いた。

緑代表は約130名参加のセミナーで、蹴り技のテクニックを指導した。
 
緑代表の言葉は、マレーシア支部を中心とした参加者に届いたことだろう。

三好副代表は、マレーシア大会の主審を務めた。
 
フィリピン支部のリチャード・ピカール支部長。同支部の発展に期待がかかる。

ベトナム支部の津川裕責任者も、セミナーに顔を出した。

静岡西支部とタイ支部を兼任する永島支部長は、昇段審査で四段に昇段した。
 
シンガポール支部のパトリック・テオ支部長も参加。

緑代表のセミナーは、大盛況となった。

明らかにアジア地区には勢いが感じられる。この勢いの理由の一つには2011年の第10回世界大会以降、アジア地区理事に就任したスジョト支部長の精力的な活動が挙げられる。

近年、欧州地区を中心に極真他派からの大型移籍が続いたが、今もそうした流れは世界的に続いている。アジアではシンガポール(パトリック・テオ支部長)やフィリピン(リチャード・ピカール支部長)らがそれで、WKOが掲げる加盟国100ヵ国化に向けて開発の可能性を秘めた地区の一つと言える。こうしたスジョト理事の活動には長年同地区理事を務めたシヴァジ・ガングリー前理事の協力も心強い味方である。

今大会に併せて緑代表のセミナー稽古、そしてアジア地区昇段審査会が行われた。セミナーには、大会前日にもかかわらず約130名が参加して大きな気合いを響かせた。稽古は基本や移動といった基本技術を徹底分解して標準化し、加えて組手テクニックなどが直伝された。

大会翌日の昇段審査も18名が受審し、なかでも今回の関連イベントをすべて取り仕切ったチャン支部長の参段挑戦、そして静岡西とタイを兼任する永島支部長の四段挑戦に衆目が集まった。

ひじょうに厳しい受審コンディションではあったが、不断の稽古で挑んだ審査で全力を出しつくし、両支部長ともに見事昇段を勝ち取った。セミナー、大会、審査。マレーシア支部主催の一大イベントは、チャン支部長の審査合格による安堵の表情をもって、来年に向けた予行演習、その万事が成功となった。来年のアジアオープンは新生アジア地区の将来を占う試金石。地区支部長の和合によって必ず成功に導いてくれるであろう。