明らかにアジア地区には勢いが感じられる。この勢いの理由の一つには2011年の第10回世界大会以降、アジア地区理事に就任したスジョト支部長の精力的な活動が挙げられる。
近年、欧州地区を中心に極真他派からの大型移籍が続いたが、今もそうした流れは世界的に続いている。アジアではシンガポール(パトリック・テオ支部長)やフィリピン(リチャード・ピカール支部長)らがそれで、WKOが掲げる加盟国100ヵ国化に向けて開発の可能性を秘めた地区の一つと言える。こうしたスジョト理事の活動には長年同地区理事を務めたシヴァジ・ガングリー前理事の協力も心強い味方である。
今大会に併せて緑代表のセミナー稽古、そしてアジア地区昇段審査会が行われた。セミナーには、大会前日にもかかわらず約130名が参加して大きな気合いを響かせた。稽古は基本や移動といった基本技術を徹底分解して標準化し、加えて組手テクニックなどが直伝された。
大会翌日の昇段審査も18名が受審し、なかでも今回の関連イベントをすべて取り仕切ったチャン支部長の参段挑戦、そして静岡西とタイを兼任する永島支部長の四段挑戦に衆目が集まった。
ひじょうに厳しい受審コンディションではあったが、不断の稽古で挑んだ審査で全力を出しつくし、両支部長ともに見事昇段を勝ち取った。セミナー、大会、審査。マレーシア支部主催の一大イベントは、チャン支部長の審査合格による安堵の表情をもって、来年に向けた予行演習、その万事が成功となった。来年のアジアオープンは新生アジア地区の将来を占う試金石。地区支部長の和合によって必ず成功に導いてくれるであろう。 |