2015ユース・ジャパン強化合宿 ユース新時代、発進!
2015年11月13〜15日◎富士緑の休暇村

ユース・ジャパン発足から11年目を迎えた今年、第11回世界大会でユース1期生の島本雄二が世界チャンピオンとなり、ユースのテーマである「伝統・継承」を果たした。
今後も日本が王座を守り続けるためには、現役ユースの力が不可欠となる。11月13〜15日、山梨県の富士緑の休暇村で、ユース・ジャパンの合宿が行われた。島本をはじめ、ユース卒業生もコーチとして参加。ここから、ユースの新たな歴史が幕を開けた。

カラテライフ2016年1-2月号 Tex/伊藤翼 Photos/神田勲、伊藤翼

「朝日が昇るような合宿だった」

2005年に行われた第1期ユース・ジャパン強化合宿の後に、緑健児代表はそんな言葉を残している。奮闘する47名の若者から大いなる可能性を感じ、明るい未来が見えたということだ。

それから10年が経過し、緑代表が見た未来は現実のものとなった。第1期メンバーだった島本雄二が第11回世界大会を制覇。ユース・ジャパンがテーマに掲げてきた『伝統・継承』が結実した瞬間だった。雄二だけではない。準優勝の入来建武、4位の前田勝汰、5位の島本一二三など、ユース出身のたくさんの“太陽”が、空高く輝いた。男女ともにユース世代が初めて主力として結果を残したことで、これまで未来形で語られることが多かったユース・ジャパンが現在進行形に変わり、新たな次代に突入したと言えるだろう。

11月13日〜15日、山梨県の富士緑の休暇村で、第11期ユース・ジャパン強化合宿が行われ、394名が参加。第6・10回世界チャンピオンの塚本徳臣支部長をはじめとする強化委員の他に、コーチとして島本雄二、緑強志、前田優輝、山本和也、将口恵美、加藤小也香のユース卒業生も名を連ねた。

また、今回のキャプテン、副キャプテンは4名全員が第11回世界大会の日本代表で占められ、とくに女子の副キャプテンを務めた南原朱里は、現役ユースながら準優勝をはたしている。身近にいる選手の活躍は、他の参加者にとって大きな刺激となったことだろう。




三好一男総監督は結団式で「みなさんの右袖に日の丸がついているのは、日本を代表するような選手になってもらいたいという意味があります。3日間、死に物狂いでがんばってください」と語った。
 
打ち上げの席では、誕生日が近い三好総監督にケーキが贈られるサプライズもあった。

稽古は例年通り3グループに分かれて行なわれ、チャンピオンセミナーでは雄二が前蹴りの技術を伝授。世界チャンピオンをはじめ、世界一と言える指導陣から直に教えを受けられる環境とあり、多くの選手が意欲的に取り組んだ。

緑代表、三好一男総監督、奥村幸一監督、雄二が参加者に話した内容で共通していたのは、4年後や8年後の世界大会ので王座死守を「他の誰かがやってくれる」ではなく「必ず自分が出るんだ、優勝するんだ」という気持ちを持ってもらいたいとうこと。今は目立たなくても、高い意識を持つ選手はおのずと基本稽古から手を抜かなくなり、必ずや強くなる。それはユース・ジャパンの先輩たちが証明してきたことだ。

「今回の合宿は“元旦”でしょうね。2年後のワールドカップや、4年後の世界大会への最初のステップです」と三好総監督。富士の麓から、無限の可能性の秘めた朝日が再び昇った。


第11期ユース・ジャパン/組手・型Aランク

第11期ユース・ジャパン/組手・型Bランク